鳥籠の中の黒鳥

小さな世界の小さな存在

幕間

 

小さな頃から 誰かを応援することで

自分という存在価値を 保っていた

 

自己肯定感を味わっていた

 

私の目に映るのはいつだって他人だった

 

ただ私の応援していたものは

お金を使っていたものは

 

私と変わらないただ一人の人間であった

パッケージングされた動く遺体に過ぎなかった

 

アイドルに皮肉を言っているのではない

それでも私はアイドルが好きだし

「美しい」と思う  けど

 

私の見つめる愛がどこにもなかった  ということ

 

愛のような幸せの欠片を振り撒くアイドルは

一時の渇欲を満たしてくれる

 

でも私はもう自分の価値も肯定も

他人に任せることが怖くなってしまっただけ

 

本来 応援をする立場にいる人間は

ある程度の自己肯定感を持ち合わせているべき

 

そうでないと

好きな人を自分勝手に

加害者にしてしまうから

 

きっと私はまだ

 

彼ら彼女らを見つめる資格がない

 

 

でも結局、

「私の愛は幸せは 私の中だけにある」のなら。

 

 

何処にもない

 

愛も偶像かもしれないのに

 

信じられずにはいられない

 

 

待っててね   必ず、必ず見つけだす

私だけの愛へ


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中学生からずっと バスケをする夢を見る

何度パスを貰っても シュートを外す

 

入ったことは一度もない

 

嫌な記憶が 私を蔑んで離さない

今はただ歩き続けるしかないのだと

真っ青な空は 夏を呼んで

 

ただ一度だけ、最初で最後の 夏 がくる

 

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死にたかったよ

 

とても素敵な六月でした