鳥籠の中の黒鳥

小さな世界の小さな存在

破壊

心がどんな形をしているかなんて

見た目だけじゃ判断できなくて

 

その事実だけで

外側の魅力など たかが知れてるのに

今日も私は心が荒むほどに見た目を気にしてる

 

「触れたものを輝かせたい」

 

私の幼い頃からの夢に

見た目の美しさは絶対条件だった


ずっとこの思考に囚われて生きるくらいなら

 

私はこの身体を破壊したい

 

 

 

 

ずっとそう思ってた

 

 

 

 

でも放棄できなかったのは

 

 

この苦しみを数えきれない人が感じていたこと

 

 

私はそんな日々の中で  本当の美しさを

偶然が必然かの巡り合わせで

 

 

感じることができた

 

 

あの日 私に降り掛かった 希望

 

 

眩しすぎる世界の美しさが

粒子となって 光となって

 

瞳を埋めつくしていた

 

その光景は私が普段 心と対話するときの感覚で

 

これが現実に実際に 感じている人が居たことに

 

酷く感動した

 

半狂乱に陥り 過呼吸になる心臓は

今までの苦しみ

 

 

そして思う

 

 

私の感性はこんなにも美しかったんだ    と。

 

 

 

きっとわかられないからと無下にしてきた

私というフィルターを肯定されたあの日

 

 

私は私の美しさを

 

 

ほんの微粒子だけれど

 

 

感じ取ることができました

 

 

 

あぁこれは肉体の美醜を超えて

人の 心が 魂が

こんなにも 綺麗 だということを知った

 

 

温かく甘く愛おしい

 

 

幸せの欠けら

 

 

 

あぁどうでもいい

 

 

 

見た目なんて本当にどうでもよかった

 

 

 

 

けれど

 

 

 

私が救われたことで 

 

救われない人がいることも

 

 

救われない人がいることで

 

 

この世界が変わらないことも

 

 

私はそんな世界が

 

 

心底  「可哀想」  で  怒りさえ湧くほど

         「悲しい」  と思った

 

 

全てが目の前を通り過ぎ

 

悲鳴のような地響きが私を揺らしたとき

 

 

私は思いました

 

 

詭弁でも美辞麗句でもいい

 

 

 

「この世界を変えたい」

 

 

 

幸せとは何か を問う小説を

とうの昔に読んだことがあります

主人公が辿り着いたアンサーを

 

私は覚えていない

 

それほどに

私の心には響きませんでした

 

 

幸せとは 変容する

一人一人 色も形も 何もかも異なる

 

 

それは見えるものかもしれないし

見えないものかもしれない

 

 

そのたった一つの幸せを

他人と分かり合えない幸せを

 

 

そしてあなたの

世界一美しく綺麗な魂を 心を

 

 

まっすぐに信じ感じることができる世界を

 

 

私は創りたいと思いました

 

 

 

私が死んだ日のことを

昨日のことのように思い出します

 

いつかの私はもう亡くなって

 

生きるために

 

何度も

 

何度も

 

何度も

 

自らを喰らってきました

 

ただ どんなに辛くて苦しくて死にたくて

身体に傷を作り続けても

 

魂は揺蕩い笑っていました

 

人の魂とはとても強いものです

 

対して心がどんなに砕け散って

死んでしまっても

 

 

あなたの魂は生きています

 

 

まだ私ができること

具体的に何もわからない

 

世界なんて変えられないかもしれない

 

ただ私は

 

あの日の小さな私へ

 

 

微笑みかけられる私でありたい

 

 

 

出発点