鳥籠の中の黒鳥

小さな世界の小さな存在

廃棄

今日は占いに行った

 

家に帰って 母に占いの結果と感想を述べた

 

一つ 自分的に納得できないというか

想像ができない 未来のこと を

信憑性の欠片もない占い師の言葉を

母に告げた

 

「私普通に結婚して1人男の子を授かるらしいよ」

 

 

すると

 

 

母は泣いた

 

どうしたのと言っても 自分でもその涙の意味を理解していないような振る舞いだったから

私はただ意味不明なそれを眺めて

それから平然を装い味噌汁を啜った

 

分からない

 

何個か予想はつく

・相当私の未来を心配していたから

・孫の顔が見たいが半ば諦めていたから

・私が男の人と結婚し子供育てる「普通」の人間になっている未来への可能性を感じたから

など 色々と考えることは出来るが

決定的なことは「嬉し泣き」だったということだろう

 

でも分からないんだ

 

私は正直 母に愛されている実感がない

こんなことを言うと

何不自由なく衣食住を与えてもらっておいて

なんて贅沢な子供だろうと思うかもしれない

 

だけれど本当に私は母から何も感じないのだ

 

一番しっくりくる言葉といえば

「義務」

みんながしているから

常識だから 社会的体裁の縛りなど少しも疑わない

世の正しいが自分の正しいだと

自分が生きやすいように全てを受け入れられる

そんな母だからこそ 私を育てているのは当たり前で

そこに特別な感情はなく

自分が産んだ子供は責任をもって己が自立させる

愛なんかよりよっぽど腑に落ちる理由

私はこれに気づいたのは最近ではないけれど

だからこそ何故今日母が泣いたのか

私には理解できるようで 全く理解できなかった

 

私は生まれてこないほうがよかった

 

揺るぎない軸がぶれそうになって体温が下がる

考えるのは休戦しよう